あさか由香 8時間働けばふつうに暮らせる社会へ

Asaka Magazine

Asaka Magazine

対談・インタビュー

2016.5.25

ときめき対談 ゲスト 弁護士 中瀬奈都子さん

選挙の年 戦争法の廃止何としても あさか
運動の成果結実する年 生業訴訟で勝ちたい 中瀬

日本共産党の神奈川県雇用・子育て相談室長として奮闘する、あさか由香さんは、川崎合同法律事務所の弁護士として活動する中瀬奈都子さんをゲストに迎え、趣味から政治、社会の問題まで語り合いました。(新かながわ社)

旅行好き

あさか・中瀬 新年おめでとうございます。
あさか 中瀬さんは旅行好きで全県制覇をめざしているということですね。
中瀬 各地で地物の美味しいお料理とお酒を楽しむのが好きなんです。(笑い)
あさか なるほど。銘酒を楽しむ旅ですね。(笑い)
中瀬 あさかさんも旅行好きなんですよね。カンボジアに学校を造るボランティア活動に取り組んだとか。
あさか 高校2年のときでした。まだ、地雷が多く、夜間は外出禁止令が出ていましたね。夜に外出して殺されても何も言えないような状況でした。戦争中のパキスタンに入国したこともあるし、北海道でアイヌ民族の人たちと過ごしたこともあったなぁ。
中瀬 え~すごい。ものすごい行動力ですね。
あさか 紛争と貧困をなくすためにアフリカでボランティア組織を立ち上げようとしたとき、日本人として何ができるかを考え、政治に関わるようになりました。
中瀬 良い話を聞きました。お父さんも活動的ですね。東燃石油化学川崎工場で働いていたとき、思想信条の差別をなくそうとたたかったそうですね。
あさか はい。でも実は当時のことを父から聞かされていないんです。川崎合同法律事務所の弁護士さんも支えてくれたんですよね。
中瀬 ええ、あさかさんが生まれたころのたたかいで、先輩から1986年に勝利和解が成立したと聞いています。
あさか 中瀬さんは、そういった働く人の人権を守る法律事務所にいつ入りたいと思ったんですか。
中瀬 具体的には司法修習生のときです。人権問題を探求する「7月集会」(11年)を準備するなかで決めました。労働事件に興味があって、担当した分科会で、牛丼チェーン「すき家」とたたかうなど非正規問題に取り組む労働組合の方や弁護士からお話を伺いました。集会は大学院のクラスメートだった山添拓さん(共産党参院東京)たちと進めたんですよ。
あさか かけがえのない多くの出会いがあったんですね。

女性が真に輝く社会へ

中瀬 いまは、資生堂・アンフィニ「非正規切り」裁判弁護団としてたたかっています。資生堂と派遣会社アンフィニは、減産を理由に女性22人を突然解雇し、労働組合に加入した2人も雇い止めにしました。
あさか 資生堂は「すべての人が『一瞬も 一生も 美しく』あるように」とスローガンを掲げていながら、とんでもないことをやっていますね。
中瀬 そうなんです。実際には女性に厳しいことをやっている。請負や派遣を偽装し、3分の1の賃金で正社員と同じ仕事をさせていたんです。それなのに減産に伴って、「非正規だから」と簡単に切ってしまった。
あさか 企業の利益追求のために働く女性を犠牲にするなんて許せない。安倍政権は「女性が輝く社会の実現」を掲げていますが、実際は不安定な派遣労働を拡大しようとしているし、「残業代ゼロ」法案もつくろうとしている。女性が真に輝く社会にしたいですね。
中瀬 ええ、あさかさんは、ブラック企業の問題にも関心があるんですよね。
あさか システムエンジニアだったときは、終電で帰ったり、土日に出勤することが当たり前で、かなりの人が体を壊しました。ある女性は体を壊した後、職場に復帰したのに過酷な労働は変わらず、家から出ることもできなくなりました。
中瀬 精神的に辛くなってしまったんですね。
あさか そう、それがすごく許せなくて、社会の仕組みを学んだり、「お仕事実態調査」に取り組みました。〝ネットカフェ難民〟の実態を知り、競争に負ける方が悪いという「自己責任論」は無責任だと分かりました。でも、当時は「声をあげてもどうせ変わらない」という若い人もいました。
中瀬 原発事故後、あきらめていた若い人が変わってきたように感じます。戦争法の問題でも多くの若い人が立ち上がりました。今年は運動の成果が結実するあらたな段階だと思います。

フクシマを忘れない

あさか そういう年にしたいですね。いま、原発事故の話がありましたが、中瀬さんは福島の被害者が起こした生業訴訟に関わっていますね。原告のみなさんはどんな気持ちで立ち上がっているのですか。
中瀬 裁判では、国と東京電力に原状回復などを求めています。原告は福島に住んでいる人や避難した人など4000人規模になりました。昨年の裁判では、妊娠中に原発事故にあった女性が赤ちゃんへの健康被害を心配しながら授乳していたことを涙ながらに話しました。
あさか 私も原発事故後に長男を出産しているので母乳が心配でしたね。子どもが遊びそうなところの放射線量をママ友と測定し、原発とは共存できないと強く感じました。それなのに安倍政権は原発事故も被害も終わったものとして支援や賠償の打ち切りを進めていますね。
中瀬 はい。安倍政権は昨年6月、福島復興指針改定を閣議決定しました。帰還困難区域以外の避難指示を17年3月までに解除し、それに伴って賠償金を打ち切るというのです。みんな怒っていますよ。
あさか 当然です。だいたい事故の原因だって究明されていないのに、原発の再稼働なんてあり得ない。世論調査でも多くの国民が再稼働に反対しています。「フクシマを忘れない」の思いで、安倍政権に原発ゼロを決断させましょう。
中瀬 そうですね。弁護士1年目から関わってきた生業訴訟。国と東電の法的責任を明らかにしようと頑張っています。勝訴という結果を出したいです。

2000万署名広げて

あさか 教育の問題も心配です。私の住む横浜では、市立中学校で使う歴史、公民の教科書で育鵬社版が再び採択されました。全国で採択された冊数の半数近くが神奈川という結果です。
中瀬 この教科書は、憲法で国家権力を縛るという考え方、つまり立憲主義についてしっかり理解できない内容になっています。「歴史」は、日本のアジアへの侵略戦争を正しい戦争だったかのように書いています。
あさか 侵略戦争を認めなければ国際的な信頼関係を築けないと、アジアの人たちと接してきて実感しています。こんな教科書では、子どもたちの国際性は育ちませんよ。
中瀬 ですよね。「公民」も、何より重要な個人の人権の尊重よりも「社会への配慮」や「社会の秩序」を強調する書き方がされています。まさに「公益」や「公の秩序」を強調する自民党改憲草案の引き写しです。戦争法という「枠」を作っただけでは、自衛隊は期待する役割を果たせない。担い手を育てようという意図が透けて見えます。
あさか 教科書の問題は、戦争法の強行採決とともに、戦争する国づくりの一環です。侵略戦争美化の教科書を採択させず、戦争法を廃止するたたかいをもっと大きくしたいです。
中瀬 昨年の取り組みを総括しながら運動を続けていきたいです。育鵬社教科書も県立平塚中や東京都大田区では不採択に転じましたし、集団的自衛権も個別的自衛権に引き寄せた限界がある。そういった運動の成果を分かち合いながら、息の長い、かつ幅広い運動を構築したいです。今年は、全国で戦争法の違憲訴訟も準備されています。立憲主義を取り戻す取り組みは終わりません。
あさか 「戦争法の廃止を求める統一署名」(2000万署名)を集めることが大切になっています。世論と運動を大きく発展させることになりますから。人と人のつながりを大切にしながら広げたいです。
中瀬 そうですね。
あさか 今日は、同世代の女性が弁護士として活躍されているのが分かってすごくうれしかったです。今年は、いよいよ参院選の年です。戦争法廃止と閣議決定を撤回させるために「国民連合政府」をつくることを広く呼びかけ、何としても国政を変えたいと思います。
中瀬 あさかさんの話を伺って、高い問題意識を持ち、かつ、実践してきた方だと知り、ぜひ国政でその行動力を発揮してほしいと思いました。海外での経験や会社員時代の取り組みなども生きた言葉で広く訴えてくださいね。
あさか 頑張ります。今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

中瀬奈都子(なかせ・なつこ)さん=1984年徳島県生まれ。早稲田大学法学部卒。同大学院法務研究科修了。「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団。資生堂・アンフィニ弁護団。川崎市の「みんなで教科書問題を考える川崎区の会」の活動に携わる。

あさか由香(浅賀・ゆか)さん=1980年横浜市生まれ。筑波大学国際総合学類卒(在学中、ニューヨーク州立大学へ交換留学、フランス・ポー大学へ語学留学)。システムエンジニアとして勤務後、国際運送業に携わる。現在、党県常任委員。家族は夫と長男、長女。

新かながわ社のサイトはコチラ
このページをシェア
ツイートする
Facebookでシェアする
LINEで送る