あさか由香 8時間働けばふつうに暮らせる社会へ

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2016.5.31

人間ドキュメント『突然の家族の死から5年 愛を返す番』(2006年)

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10年前、あさか由香さんのことを掘り下げて紹介した「しんぶん赤旗 日曜版」の記事があります。由香さんのことを知ってもらう上で、ぜひ読んでいただきたい記事ですので、掲載します。

横浜民青同盟地区委員長 金谷由香さん(26)<旧姓、年齢は当時>

「無我夢中」。この言葉しかいまの自分を表す言葉はないという横浜市の金谷由香さん(26)。日本民主青年同盟横浜北東地区委員会の委員長となってまだ4ヶ月です。

小林信治記者

貿易会社で働く由香さんの退社時問に合わせて携帯電話の着信音が鳴り続けます。仕事をきっちりこなしてからの1日の始まりです。

地域の仲間が集まっての班会、フットサル、被爆者の話を聞く平和学習会、バーベキュー…。民青同盟は日本共産党を相談相手に青年の要求を実現する青年組織です。歓声が上がるときも、涙のときも、由香さんの姿があります。

社会人や学生、さまざまな人がいます。サラ金の借金に苦しむ人、職場で暴力を受けた人、寮を追い出された人…。「格差社会のなかで青年が抱えている問題はつらく深い、互いに支え合うことさえできないでいる。そこを仲問とどう乗り越えていくか。すごいやりがいがある」と語ります。

由香さんは高校3年生でニュージーランド、オーストラリアにひとり旅をした自立派。大学生の時は学費も生活費も自分で出しました。

韓国、タイ、フランスへも旅しました。インド・パキスタン戦争中のパキスタンに入国したこともあります。「人との出会いが楽しい。やりたいことをやっているから、いつ死んでもいいと思っていた」のです。

■両親に贈り物

金谷さんの家族にはユニークな習慣がたくさんありました。3月はどこにいようが、家族一緒に過こすというのもその一つです。3月21日は父親の誕生日、22日は両親の結婚記念日、23日は由香さんの誕生日だからです。

その由香さんの誕生日に突然、悲しみが襲いました。

5年前です。アメリカ留学中の由香さんのもとに家族が合流、1週間の家族旅行中でした。ロサンゼルスからグランドキャニオンヘ。「ラスベガスでは一番高価なホテルに両親を泊まらせてあげようと、お兄ちゃんと小遣い出し合ったりして計画した旅です」。幸せの絶頂でした。ディスバレーで家族が乗っていた車が曲がり切れずに、スリップ。「危ない!」という母親の叫び声とともに、車は回転。後部座席にいた母親、兄、妹の3人は、ばらばらに車外に投げ出されました。

由香さんと運転していた父親は意識を取り戻し、着ていた洋服で3人の頭や腕を縛り、人工呼吸や心臓マッサージを続けます。1時間以上たってヘリコプターで到着した救助員の仕事は「もう終わっている」という一言でした。

その日からぽっかり空いた大きな穴。3人を助けられなかった自分が許せませんでした。

3人を助けようとするのに死なれてしまう夢ばかりを数年、見続けました。ある夜は事故で、次の夜はがけから落ちて…。毎夜いろんな形で死なれていくのです。頭だけ、首から上だけの3人が出てくる夢。「それでも家族に会えるからうれしい」と思いました。

「私のためにお父さんは必死で生きた、私もお父さんがいるから生きてこれた」。父親はカウンセリングにも誘います。

「共産党員の父は強い。自分が客観的にもキツイとわかるし、そういうときにカウンセリングを受けることを自分からできるのもすごい」。父親の和夫さん(55)は、東燃化学で思想差別撤廃裁判をたたかい、勝利した経験もあります。

■数千の人々と

由香さんは海外旅行の体験から、貧富の格差と戦争をなくしたいと思っていました。高層ビルを一歩入れば貧民街が続く国、マクドナルドのハンバーガーが高級料理となっている国があることも見てきました。「ひとりで生きていると反発するだけだった自分が、もっと親のやっていることを知りたい」と思い始めたのです。事故から1年後に日本共産党に入りました。

小児ぜんそくの発作で毎晩のように眠らずに看病してくれた両親。母親は何でも話せいつも温かく見守ってくれていました。マンション管理組合、保育園、PTA、新日本婦人の会、共産党…。家族は数千の人々とつながっていました。「愛されて育って今度はその愛を自分が返していく番なんです。これだけ家族に恵まれている私。家族だけじゃない。『由香ちゃん、元気』と声をかけてくれたり。母親はいなくなったけど、母はたくさんいる」と由香さん。

「ありがとう、今幸せです。自分が幸せに生きていることをみんなに伝えたい」

 しんぶん赤旗日曜版2006年8月6日号より

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