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ヘイトとたたかう〜川崎でのとりくみ 後藤まさみ・川崎市議インタビュー
ヘイトとたたかう 川崎・神奈川での市民と共産党のとりくみ
後編~共産党はどう動いたのか
後藤まさみ・川崎市議インタビュー
【動画はこちらです】
外国人を差別したり排斥しようとする排外主義にどう立ち向かうのか、国際的な課題ですが日本でも大きな問題になっています。
神奈川県内においても特定の民族 国籍 人種など個人の意思では変えることのできない属性を持つ集団に対する差別憎悪を煽るヘイトスピーチが繰り返し行われてきました。
それに対し
2016年国会ではヘイトスピーチ解消法が成立
2019年川崎市では全国で初めて刑事罰を伴うヘイトスピーチを禁止する規定を持った条例
が制定されました。
ここでは、前編後編に分けて川崎での差別に立ち向かうたたかいを中心に取り上げ、
その中で日本共産党が共生社会をどう実現しようとしているのか、お届けします。
後編では
「ヘイトスピーチをなくすために日本共産党はどう動いたのか」を取り上げます。
後藤まさみ・川崎市議へのインタビューです。
(片柳すすむ・前川崎市議へのインタビューはこちら、羽生田がく・相模原市議へのインタビューはこちらです)
後藤まさみ・川崎市議へのインタビュー
あさか:
後藤まさみ川崎市議から
お話をううかがいたいと思います、よろしくお願いします。
後藤さんは2019年に初当選しましたけれども、一番最初の第一声(註:立候補を届け出た後、選挙活動として公の場で最初に発せられる言葉。どこで第一声を行うのかにも、候補の政治信条が反映されている場合が多い:中日新聞選挙”読みtoku”ワードより)に桜本を選んだ、その思いをぜひ聞かせてください
後藤市議が桜本を第一声に選んだ思い
後藤:
そうなんです。2014年夏ごろから川崎駅周辺にヘイトスピーチが来て、川崎南部地区委員会として片柳さんと街頭に立ってきたんです。
2015年の9月に安保法制が強行される直前に国会に抗議に行けないハルモニ方、おばあちゃん方が戦争につながる道はダメなんだと小さなデモを行ったのが、私が第一声を行った場所の通りだったんです。そのデモには私も参加したんですが、そのデモを標的にするかのように
その後ヘイトスピーチ デモが桜本の街を狙ってきたんです。
そしてご承知の通り、当事者や市民カウンターの激しい抵抗抗議たたかいが始まったんです。
それから、実は私は3歳の時に父が亡くなって、母子家庭で育ったんですけれども、母が生計を立てていたのが朝鮮の方が経営する焼肉屋の事務だったんです。
ハンメ(おばあちゃん)にもたくさんの配慮をいただいて、私たち親子は生きていくことができたんです。そうした親たちの影響もあって、やっぱり恩返しをしたかったし、ヘイトスピーチは絶対に許さないという思いでした。
ちょうど2019年の選挙の時は条例を制定しようという運動が大きく広がった時でした。
ヘイトスピーチの被害に遭っている方たちは、ほとんどが選挙権がない方なんです。人権侵害をされていても、投票でその意思が示せない、そういった方の声も私絶対に届けていきたいと思って桜本を第一声に選びました。
あさか:
後藤さんの熱い思いを、本当によく覚えてます。
選挙権がない人の思いをちゃんと取り上げなければいけないっていう、ともに生きてるんだっていう熱い思いでした。
後藤:
一緒にね、あさかさんもいてね。
罰則付きの条例ができた成果は?
あさか:
それで2019年後藤さんが当選をして、その年に罰則付きの条例が全国で初めてできたわけですけど、罰則付きのヘイトスピーチを禁止する条例ができて、その成果はどうだったんでしょうか。
後藤:
大きな成果があったと思います。先ほど言ったように当時はヘイトスピーチデモということが
あからさまに街中を襲ってきてたんですけど、まずそれができなくなったし、街頭でも今、ヘイトスピーチをやっていたと思われる方たちが、告知はしましたけれどもあからさまなことはできなくなったということなんです。
さらにはそこに対して市民の皆さん、それから団体の皆さん、市民ネットワークの皆さん、共産党、カウンターの皆さんがそれを包囲をしていることと、
それから何といっても条例をしっかりと守らせるために、川崎市の職員がしっかりと現場に行って監視をしていると。チェックをしているというところで、大きな抑止力になっているかと思います。
SNS上のヘイトスピーチと川崎市の取り組み
あさか:
そうするとヘイトの問題って、今街頭ではなかなかしにくくなっていったという状況を作ることができているように思いますけれども、他にどういう問題がありますか。
後藤:
街頭ではそういったことになっているんですけど
本当に深刻なのがネット上、インターネット上のヘイトスピーチなんです。もうそれが匿名でやられるということなので、本当に被害が深刻になっていまして、
今川崎市は条例に基づいて削除要請を行っているんですが、2023年度は198件だったんですけど今度の2024年度はそれが249件に増えていると。年々増えているということなんですね。
中でも殺害とか危害を加えるような、それを呼びかけるようなヘイトクライム、煽動するような投稿が急増している。先日削除要請した中には、朝鮮学校の児童生徒にも向けられた本当に深刻なヘイトスピーチがあったということで、これはとにかく何とかしなければならないという、今大きな問題となっております。
あさか:
本当に、子どもたちに向けてそういうことが行われるっていう。。。。。本当に許されないと思いますが、川崎市はこれに対してどういう対応をして、共産党はどう見ていますか。
後藤:
この間の議会で、何といっても市長がね、どういう立場なんですかということで、質問しましたが、市長の方からもヘイトスピーチ全般許されないんだけども、とりわけ児童生徒に対する、成長過程の子どもたちに対するヘイトスピーチは絶対に許されないんだという、明確な発言がありました。
あさか
許せないってみんな言わなきゃいけないですよね。
後藤:
(行政の)長が言うことが本当に大事だなと思います。
あさか:
このSNS上でのヘイトスピーチは本当に深刻だなと思うんです。他に川崎市として何かやっていることはあるんですか。
後藤:
私たちも本当に求めてきたことなんですけども、削除要請だけではなくて、市独自の対策が必要じゃないかということを求めたところ、
川崎市もなんとこういう独自のチラシを使って、シャットアウト!ネットヘイトということでこのお猿さんのキャラクターも独自に作成をしました。(註:チラシはこちらで見られます)
これを使ってチラシを配ったり、ポスターを作って啓発したり、あとXも立ち上げたり、それから動画も配信をしているというところで (註:川崎市HP「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」について紹介した啓発物(動画、リーフレット、ポスター等)紹介ページ )
川崎市もがんばってこういう啓発活動を広げることをやっています。
それから、これも求めてきたことなんですけど、やはり職員の皆さんが関わるので、専門家からの研修が必要ではないかということを求めたんですけど、これも今年初めて研修が行われて、ネットだったということなんですけども、そこに115人が参加をされて、本当に勉強になったという感想がたくさん寄せられたということで、これは来年度も継続することが確認されております。
あさか:
私も後藤さんが議会で取り上げて、この115人の職員が参加研修したってすごいなと思ったんですけど、(研修に参加した職員の方が)何がよかったかということで、被害当事者の講演をいただいて被害についての理解が深まったっていう、そういう感想を述べているんですよね。
やっぱりこの実態がなかなか知られていないことに関して、ちゃんと理解していくというのはすごく大事だなと。こういう取り組みを他の自治体とかでもしっかりやっていくということが大事だなと思いました。
後藤:
そうですね、ぜひ取り組みを広げてほしいなと思います。
ただですね、やっぱり自治体、私たち条例を持っておりますけども、自治体だけではやっぱり限界があるということで市長もこの間そのような答弁をされたんです。
国が主催しているヘイトスピーチ対策の会議に出て意見を言ったりとか、それから法務局と連携をするということも言ってきたんですけども、やっぱり自治体だけでは限界があるということで、今度は同じような課題を共有するような自治体とも連携をしながら、国へしっかりと働きをかけていくことを今検討しているという答弁がありました。
なのでやっぱり自治体任せだけではなくて、国がどうするかということが本当に問われているなと思います。
あさか:
そうですね。
差別のない川崎をつくる上で、これから重要だなと思うことを、ぜひ一言お願いします。
差別を社会全体の問題として捉え、当事者が声を上げなくてもいい社会へ
後藤:
私が思うのは、やはり差別にあっている当事者が声を上げなくてもいいような
状況を作っていきたいと。これまでは差別を受けた方が声を上げて、それで今前に進めてきた状況があると思うんですけど、それは違うと思うんです。
差別のある社会全体の問題だと思います。これからは市民全体が差別に対してどうやって向き合っていくのか、それから政治の問題としてもいろいろもっと前に進める。法整備もそうですし、そういうような検討がますます重要になるかなと思います。
それが差別のない川崎をつくる上で本当に重要なことだなと思っています。
あさか:
差別を許さない。
そういう決意というか、意思表示を、全体に広げていく。そのためにがんばっていきましょう。